2026年4月分から徴収開始「子ども・子育て支援金」とは?企業の実務に関する注意点を解説

CoRunの労務コラム

子ども・子育て支援金とは

若い世代の方の将来展望を描けない状況や、子育てをされている方の生活や子育ての悩みを受け止めて、2023年12月に「こども未来戦略加速化プランが策定されました。
この「こども未来戦略」加速化プランの施策を着実に実行するための財源として創設されたのが、「子ども・子育て支援金」制度です。
この記事では、2026年4月分から徴収が開始される「子ども・子育て支援金」について、企業の実務担当者が「今、知っておくべきこと」を解説します。

子ども・子育て支援金の使い道

「子ども・子育て支援金」は、少子化対策のための特定財源となります。
集められたお金は、「こども未来戦略」加速化プランのうち、次の施策実行のために使われます。

対象施策施策内容
児童手当の拡充所得制限の撤廃
高校生年代(18歳年度末)までの支給期間延長
第3子以降の支給額を月額3万円に増額
妊婦のための支援給付(胎児の数+1)×5万円を支給
出生後休業支援給付子の出生直後の一定期間内に、両親ともに14日以上の育休を取得した場合、育児休業給付とあわせて、最大28日間、給付率を80%に引き上げて支給
育児時短就業給付2歳未満の子を養育するために時短勤務を行う労働者に対し、時短勤務中に支払われた賃金額の10%を支給
こども誰でも通園制度親の就労要件を問わず、時間単位で通園可能な仕組み(2026年4月給付化)
自営業フリーランス等の年金保険料免除国民年金第1号被保険者の育児期間中の保険料免除(2026年10月開始)

参考:こども未来戦略MAP

徴収と負担

徴収方法

「子ども・子育て支援金」は、医療保険(被用者保険・国民健康保険・後期高齢者医療制度)に加入する全世代を対象に、医療保険料と合算して徴収されます。

  1. 会社員・公務員(被用者保険)
    ⇒ 給与(または賞与)から天引き
  2. 自営業・フリーランスなど(国民健康保険)
    ⇒ 医療保険料と合わせて納付書または口座振替で納付
  3. 75歳以上(後期高齢者医療制度)
    ⇒ 医療保険料と合わせて納付

会社員・公務員(被用者保険)の場合は、会社が、給与(または賞与)から天引して納付します。

徴収開始

徴収は「2026年4月分」から始まります。

給与から天引きする社会保険料は一般的には「前月分」ですが、企業によっては「当月分」の社会保険料を天引きしている場合もあります。自社の給与計算ルールを確認しておきましょう。

負担額

負担額は、加入している医療保険や所得によって異なります。
会社員・公務員(被用者保険)の場合、支援金額の半分は企業が負担します。
子ども家庭庁による年収別の試算(令和8年度)では、被保険者一人当たりの負担額(月額)は下表の通りとなっています。

参考:子ども・子育て支援金制度について

この負担額は、激減緩和のため、2026年(令和8年)から2028年(令和10年)にかけて段階的に引き上げられ、2028年(令和10年)に満額となります。

企業への影響と注意点

  1. 給与計算
    支援金は医療保険料と合わせて徴収されます。給与計算システムのアップデートに注意しておきましょう。また、自社の給与計算ルールを確認し、天引きの開始を適切に行うことも必要です。
  2. 従業員への周知
    「子ども・子育て支援金」制度について丁寧に説明し、負担が増える不安感を解消することも重要です。
  3. 従業員からの問い合わせ対応
    徴収方法や負担額について従業員からの問い合わせに対応できる体制を整えておきましょう。
    具体的な負担額は、2026年度(令和8年度)の場合、次の計算式で算出できます。
  • 給与からの天引き
    (健保の標準報酬月額)×0.23%×1/2
  • 賞与からの天引き
    (標準賞与額)×0.23%×1/2

Q&A

Q:賞与からも支援金の控除が必要ですか?

必要です。
健康保険料や厚生年金保険料と同様に、毎月の給与だけでなく、賞与からも支援金が徴収されます。

Q:産休中や育休中の従業員は、支援金の負担が免除されますか?

免除されます。
企業の従業員については、産前産後休業期間中や育児休業期間中は、支援金が免除されます。

Q:従業員への周知はいつ、どのような方法で行えば良いですか?

2026年3月頃を目安にリーフレットが配布される予定です。
リーフレットは、こども家庭庁から医療保険者へ、電子媒体で送付されます。
これを、保険料決定通知書などと併せて従業員へ配布することが想定されています。

Q:給与計算システムのアップデート時期は?

自治体や保険者が使用する標準システムでは、2026年3月に支援金の計算機能等がリリースされる予定です。給与計算システムベンダー各社の対応時期も、この時期を一つの目安として、確認しておくと良いでしょう。
リリースされた機能を確認して、料率の設定等を適切に行って下さい。

参考資料

  1. こども家庭庁「こども未来戦略」
  2. こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について(WEBサイト)」
  3. こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について(PDF)」
  4. 子ども・子育て支援納付金に係るQ&Aについて
  5. 子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第47号)について